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「なんだこれ」
真っ二つのその木は、カンナをかけたみたいにツルツルの断面をしている。
ベンチから立ち上がろうとして、ボクは左手に何か握ってるのに気づいた。
「……剣?」
見慣れないそれを見つめると、ソイツと、目が、あってしまった。
『よーぅ、相棒! 目ぇ覚めたか?』
ボクは目をそらした。
剣に、カオがある?
そんなバカな。
『無視すんなっつーの。こちとら夢でも幻でもねーぞ。現実現実。こっち向けー』
うわー、喋るぞコイツ。
しかもよく喋る。
夢でも幻でもないとすると、魔法か呪い絡みのアイテムか。
やだな、正直関わりたくないんだけど……。
『言っとくが、装備は外せないからなー。オレとお前は一心同体だぜー、相棒!』
マジか。
ボクは剣を睨みつけた。
左手を開いて、剣をベンチに置く。
なんだ、置けるんじゃん。
安心したのもつかの間、剣はスッと消えてしまった。
『見えなくなっても、装備が外れたわけじゃないぜー。ブレスレットに触ってみな、見えるようになるから』
マジか。本気で呪いのアイテムか。
ボクは頭を抱えた。
どうしてこうなった……。


選択肢
アリルの剣は喋る剣でした。
このような喋る武器は、この世界では
1.割とメジャー。高価だが、市販されてる。
2.古くから伝わる伝説の品。何個か知られてる。
3.唯一無二。存在を知る者は今はもういない。