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新居は、研究施設の一角にあった。
施設本館とは庭を挟んで離れてるものの、同じ敷地内にある一軒家だ。
今までより広くなったけど、白すぎる壁は殺風景で寒々しい。
まあ、少しずつ慣れていくものかもしれないけどね。
リーリムさんは荷物の箱一つ開ける間も無く、本館に呼ばれて行ってしまった。
話しを聞いてる限り、どうやらここの責任者に任命されたみたい。
上に立つのは苦手だと、馬車の中でこぼしていたっけ。

慣れない家に残されたボクは、荷物の箱を放っておいて、庭に出てみた。
家のすぐ脇に、二人くらい座れそうなベンチがあった。
夏の終わりの深緑の木々が、疎らに生えている。
森に似た涼しさを、少しだけ感じる。
まあ、もうすぐ夕方だから涼しくなってきたのかもしれないけど。
ボクはベンチに背中を預けて、リボンの小箱をもてあそんだ。
そんなに大きな物じゃない。重さもそんなに感じない。
シェンナはボクに、何をくれたんだろう?
ボクは、リボンをほどいてみた。
「ブレスレット……かな?」
革ひもに飾り石、多分シェンナの手作りの、シンプルなアクセサリーが入ってた。
シェンナは魔法以外のことは、結構器用なんだよな。
「もっとオシャレしろってことかな?」
ボクは少し苦笑いしつつ、それを左手首に着けてみた

途端、バアンと、大きな音がーー

あれ?
いつの間に寝ちゃったんだろう?
気が付くと、空はもう夕陽色に変わっていた。
やっぱりちょっと疲れてたのかな?
体を起こして、ベンチに座り直す。

ーーさっきまで目の前に生えていたはずの木が、真っ二つになって足元に転がっていた。

選択肢
シェンナから貰ったのはアクセサリーと見せかけて武器でした。
さて、どんな?
1.イラストに描いてあるじゃん。剣でしょ。
2.アリル非力そうだし、飛び道具。銃とか。
3.何か、鈍器を持った主人公てよくない? ハンマーなど。